麻雀の上級者は、「ポンをすると安牌が無くなるからしない」という方が、多いと思います。
確かに、ごもっともです。
正確に言うと、ごもっともの場合が多いです。
しかし、下家が仕掛けている場合は、下家以外からは数牌をポンした方が良い場合が多いです。
具体的に説明して行きます。
まず、この配牌で貴方は何を思いますか?
「上がれる気がしない…」
そうですね。
しかし、ダイアグラム麻雀では、どんな配牌でも上がりを考えます。
ダイアグラムは、こんな感じだと思います。
タンヤオ:7
役牌:1
リーチ:2
ほぼタンヤオなので、タンヤオで鳴ける牌は全て鳴くべきです。
すると、下家からこんな仕掛けが入りました。
オタ風の西のポンです。
捨て牌も普通なので、おそらく役牌でしょう。
ここで大事な事は、アンコかバックかは気にしない事です。
さて、自分の手牌を見ると、相変わらずの駄目な手牌です。
しかし、まだ恐くはないので、ベタオリはしません。
しかし、下家からは数牌はポンしない方が良いです。
これは、安牌が無くなってしまうからです。
すると、対面からこんな鳴ける牌が出てきました。
この8sは、鳴かない人が多いでしょう。
対面のリーチが恐いという理由でしょう。
しかし、現時点で積極的に攻めているのは、下家です。
また、下家が聴牌して恐い存在になるかは、自分が甘い牌を切るかどうかによって大分変ります。
つまり、まだ仕掛けてもいない、リーチもしていない対面よりも、圧倒的に下家を警戒すべき局面です。
もし、この8sを鳴かないで、後でこの8sを切った場合、下家に鳴かれる事が痛過ぎます。
カン8sでも、5s8sのリャンメンでも、自分から見て3枚見えている牌を下家に鳴かせるのは、ヌルイです。
自分が上がりに向かう場合は、しょうがないですけですが。
また、この手牌の現在のダイアグラムは、こんな感じです。
タンヤオ:9
リーチ:1
これを面前でリーチは、ほぼ無理です。
なので、タンヤオのために、この8sは鉄鳴きです。
さて、当然の8s鳴きをした後に、切る牌で悩まれる方もいるかもしれません。
しかし、答えは簡単で、1pを切るべきです。
タンヤオで上がるつもりがあるので、単純に下家に危険な牌を先に切っておくべきです。
鳴かれても、全く気にするべきではありません。
実際に、1pを切りました。
幸いにも、鳴かれませんでした。
すると、対面が南を鳴いてきました。
捨て牌から、おそらくホンイツでしょう。
ここで、必要以上に対面をケアしてはいけません。
先ほど言ったように、下家へのケアの方が大事です。
ここでも、当然のように7pを切りました。
自分がタンヤオで上がれそうなので、優先順位がこんな感じだからです。
上がり>下家ケア>対面ケア
幸いにも、鳴かれませんでした。
上家から絶好の5mを鳴けて、36sで聴牌できました。
この聴牌は強そうなので、結構攻める気です。
中々上がれず、対面から1pが手出しされました。
下家は、相変わらず1フーロのままです。
この状況では、対面の方をケアすべきです。
下家は、対面をケアして、まわっている感じですし。
すると、やっと下家が2フーロ目をしました。
まわっている感じなので、聴牌率がそれほど高いとは思いません。
手出しも7sなので、ピンズを切るまでは、やはり対面をケアすべきです。
そんな時に、こんな危険そうな牌を引いてきました。
この4pを、貴方は切れますか?
この牌は対面にも、下家にも放銃する可能性がある牌です。
ドラも6pなので、この1000点では切れない方が多いと思います。
私は切りました。
まだ、対面も下家も聴牌率がそれほど高くない事が理由です。
まだ、ポンやチーで済む場合が多いと思います。
下家も対面に絞っているので、対面もそこまで恐くないです。
すると、対面から手出しの8pが入りました。
これは、さすがに聴牌率が非常に高くなっていると思います。
巡目が深い事と2枚目のピンズの手出しが理由です。
次のピンズは切るべきではないです。
すると、2pを引いてきてしまいました。
ピンズは切れないので、ソーズを切ります。
3sと6sの比較ですが、下家の鳴いた時の手出しが7sです。
下家は、56mと88mを手出ししてまわっているので、カン3sよりも6sとピンズのシャンポンの方が恐いと思います。
私は8sをポンしており、5s8sを切っているので、こちらの方が相対的にあり得ると思います。
また、6s単騎の可能性もあるので、3s切りの方が安全だと思います。
そして、3sを切って、5pをツモりました。
300-500点の安い上がりですが、自分が上がる事に意味があります。
対面が上がるかもしれませんし、自分だけ点棒を貰って局を進める事ができるからです。
非常に価値のある上がりです。
この上がりを馬鹿にする人は、麻雀を全く理解していない人なので、その人に意見を聞く必要がないです。
さて、「8sは下家が欲しかったのか?」、「対面は聴牌なのか?2pは当たり牌なのか?」など、気になる事が多いと思うので、答え合わせをしましょう。
8sは、下家が全く欲しがっている牌ではありませんでした。
自分が切っても、全く何も起きない牌でした。
でも、それは結果論なので、気にするべきではありません。
今後も、今回と同じように打つべきです。
対面に関しては、手出しの8pで聴牌でした。
しかし、カン7pなので2pは通りました。
しかし、これも結果論なので、今後も同じように打つべきです。
牌譜: http://tenhou.net/0/?log=2017011302gm-00a9-0000-3c926d86&tw=1
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まとめ
手牌がバラバラだと、最初からベタオリする人がいます。
しかし、それは考え直した方が良いです。
仮に下家が鳴いたとしても、下家以外の数牌を鳴いて、安全に役あり聴牌を目指すべきです。
もちろん、上家からのチーもするべきです。
下家が急に3フーロしたり、ドラを含めた2フーロなどをした場合は、下家に絞ってベタオリする場合はあります。
しかし、1フーロでしかも、対面のホンイツにまわっている時は、結構無視できます。